こんにちは!
突然ですが、最後に泣いたのはいつか覚えていますか..??社会人になりたての頃は、悔しいや悲しいで泣くことがたくさんあったけど、この年齢になるとメンタルがガメツくなったのか泣くことがなかなかなくて...
パートナーが不在で久々のひとりの夜に観る映画。ひとりで観る映画は『ヒューマンドラマ』『ラブストーリー』など泣ける系を選ぶことが多いです。私は時々泣いて、スッキリしたいのかもしれません。笑
信頼しているフィルマークスで高評価だった映画を、ストーリーも調べず観ましたが、いやぁーー.....。めっちゃ泣きました。
filmarks.com後半はネタばれ無しでは書けないなぁ...と思いましたので、途中まででも読んでいただけると嬉しいです😊
🔵すべてを手に入れていた男性
私が観たのは『世界一キライなあなたに』、ジャンルはラブストーリーです。
あらすじは
勤め先が廃業になり、家族を助けるためのお金が必要なちょっと田舎くさい女の子が、藁をもすがる思いで見つけた仕事は 未経験で期間限定の介護職。大富豪のお宅の男性の介護をする、というもの。
youtu.be予告ムービーで紹介されていますが、この男性には "6ヶ月だけは生きる" という強い決意が。実は 元実業家の男性ウィルは、大雨のなか道路を横断している途中でバイクにはねられてしまい、首から下が動かない身体に。事故前は仕事で成功し、プライベートも充実していて、人生を謳歌していたウィルでした。
田舎くさいけど笑顔がキュートなヒロインのルーは、何も知らないまま雇い主であるウィルの母親に彼を紹介されます。紹介された彼は、初対面のルーにむかって
「あ"ぁ"ぁ"ぁ"ーーーーーーう"ぅ"ぅ"ぅ"ーーーー!!」
と奇声を発し、顔を歪めてなんとも不気味なご挨拶。ルーは笑顔をたもちつつも、だんだん母親とウィルの担当看護師に救いを求める困り笑顔に。そして、詳しい事は看護師に聞いてね、という母親の言葉に
「自分で話せる。脳は麻痺していない、まだね」
と卑屈を言うウィル。こ...これは.....心を開いてくれる兆しを感じられない。ウィルは強敵だぞ!! と、出会いのしょっぱなから暗雲がたちこめていました。
朝、職場であるウィルの家に着き、愛想よくウィルに挨拶をするルー。するとウィルに
「これだけはわかるが、君はおしゃべりが好きだね。頼みがあるんだけど、僕の前では静かにしてくれないかな」と言われてしまう。
次の朝も、次の朝も、次の朝も。ルーは持ち前の明るさでウィルに話しかける。でも、ウィルはずっと心を閉ざしたまま。薬の副作用で機嫌が悪くなってしまう時もあるウィル、ふたりの距離が縮まる様子はありません。
ある日、ウィルの身の回りの片づけをしていたとき、ふとルーが手にした写真。綺麗な雪山の前でカメラに笑顔をむけているウィルの姿が。
「バルディゼール。いい雪だったよ。」
ウィルに気づいたルーはドキッとして、「私はただ...」
「写真を見ていただけだよね、現実とのギャップに驚きながら。他の写真も漁れよ」
冷たく言い放って立ち去るウィル。
わーーーーん、なんて捻くれてる男なんだ...!!!!
ウィルの捻くれ度合いに強烈なパンチをくらいましたが、人生で成功して何でもできていた男性。事故にあい環境が丸がわりした彼の辛さは、経験していない私には到底わからないことだとも思いました。
そんな中 ウィルの母親から、ウィルの友人たちが会いに来ることを知らされる。なんと、友人とはウィルの元カノと元カノの婚約者。事故前に付き合っていた彼女が、婚約者を連れて会いにくるなんて...。
ウィルの表情は終始かたいまま。挨拶したあとに婚約者が気を使い、席を外して元カノとふたりきりになるウィル。でもウィルは何も言うことがないまま、すぐその場を立ち去ってしまいます。
「事故に遭ってから避けられ続けた。拒否する人を救えない」
彼女はそう言って、婚約者と帰ってしまったのでした。
その後も仲良くなれないウィルに、ルーはついにキレてしまう。
「当たるのはやめて、私は仕事でやっているの!あなたと居たいんじゃない、お金が必要だから...お金が要るのよ..」と。
そんなある日、ウィルはルーに棚に置いてあるDVDを観たいと言います。そして、
「座って一緒に観ろ、命令だ」
おーーーーー!!!
これはやっと仲良くなれる感じですかー?!
そして 好みの映画じゃなくて全く気乗りしなかったルーが、ウィルに感想を聞かれると
「最高だった...」
おやおや、意外と好みも合っちゃったりするんじゃん?!
ここから私のドキドキとワクワクがグーーンと加速していくのです。
それから胸きゅんポイントがいくつもやってくるのですが、実はルーには大好きな彼氏がいます。
ルーとウィルの関係は?
彼氏とはどうなるのか?
恋の結末にも色々と考えさせられる映画です。この映画、調べて初めて知ったのですが原作があるようでして
こちらも評価が高いので読んでみたいな、と思えるくらい素晴らしい映画でした。本読みながら、また泣いちゃいそうだな...
🔵"6ヶ月だけは生きる"の意味
ここから先はネタバレを含みます💦申し訳ないですが、映画を観たいと思ってくれたかたはスキップしてくださいね😊
【ネタバレ】
サイトのあらすじでも紹介されていますが、この映画は恋愛だけがテーマではなく、もうひとつのテーマがあります。『尊厳死』です。6ヶ月限定の仕事の意味とは、ウィルに"6ヶ月しか生きない"という強い決意があるから。ウィルは自分の意志でスイスの自殺幇助を支援する団体 "ディグニタス" と連絡を取り合い、話を進めているのでした。ウィルの両親は彼の決心を知っています。
ウィルの父親は、彼の希望を尊重します。しかし母親は、6ヶ月は決意を変えさせる期間よ!と言います。
何も知らなかったルーは、ふたりの会話を耳にしてしまい呆然とします。
やっと、やっと少しずつ仲良くなれて、心を開いてくれたと思っていたのに...彼の気持ちは死にむかっていただなんて。
とてもショックをうけたルーは、ルーの姉に相談します。姉は
「彼が死を望んでいるなら、残された時間を特別なものにしなきゃ。富裕層でしょ?イルカと泳いだりスカイダイビングしたり。"死ぬ前リスト"よ」と言います。
ルーは姉のアドバイスを聞いて、それだ!と思いつきます。「もし予想以上の効果があったら、決心を覆せるかも..!!」
それから競馬場で賭けをしたり、クラシックをふたりで聴きに行ったり。そうするうちに ルーはウィルの内面に惹かれ、ルーの中でウィルの存在がどんどん大きくなっていくのです。そして、ウィルに嫉妬した彼氏とは決別をしてしまう結果に。
お互いを愛し始めていることを自覚しているルーの期待は、さらに大きくなります。もう、彼の気持ちは生に向き始めていると。
ある日 担当看護師がルーに言います。
「ウィルは君に苦悩を見せることはないが、夜中に叫ぶこともある。夢の中の彼は昔のままの姿なんだ。目覚めるたびに、現実に直面する。僕は彼が死を選んでも、尊重したい」
そう言われたルーでしたが、担当看護師を説得して、看護師も同行して旅行をすることに。ゆったりとビーチを眺めて、スキューバダイビングをして、キスをして。最高のバカンスだった..
「もとの人生とはかけ離れている。こんな状態で生きられない」
そう、変わらないウィルの決心を聞くまでは。
泣き崩れるルーの姿に、私も心がズタズタになって辛かったです。
その後すぐに帰国。空港で待ち構えるウィルの両親が嬉しそうに出迎えます。父親が「空港でみんなで食べて帰ろうか?」と言うと
「まっすぐ家へ帰ります」と足早に帰ろうとするルー。ウィルの母親が走って追いつくと、
「お給料は要りません。残念です」
ルーのひとことでウィルの決心が変わらなかったことを悟った母親は、その場で泣き崩れます。
私も期待していました。最後はハッピーエンドなんじゃないか。ここでダメでも、気持ちが揺らぐ時がきてくれるんじゃないかなと。
ウィル一家は、いよいよスイスへ発ちました。ルーはとても同行できないと断りましたが、愛する家族の助言をうけ、勇気をだしてスイスへ。
ベッドに横たわるウィルが、笑顔でルーに言います。「最後のお茶を淹れにきた?」
笑ってそっと寄り添うルー。ウィルの胸に顔を押し当て、ぎゅっと抱きしめる。
「僕を見て」
「無理よ..」
ふたりの会話に、あぁ、最期のときがきてしまったのか...と もう号泣でした。
「そばにいて」
「ええ、あなたが望むかぎり......」
そしてウィルが、「両親を迎え入れて」と言います。
最後の最後まで希望を捨てられない私は、ここで両親を呼んだウィルが「僕は死ねない」と、死ぬことを諦めてくれるんじゃないかと思いました。
でも、シーンが切り替わって、ルーに宛てたウィルの手紙が読み始められたとき、彼は死んでしまったんだと思うと 悲しさや悔しさや色んな感情が沸いて、ボロボロ泣きました。
手紙のなかで、ウィルはルーに言います。
「果敢に生きろ。落ち着いたりするな」
尊厳死...みなさんはどう思われますか?
このディグニタスという団体ですが、実在するスイスの団体だそうです。スイスでは、自殺幇助が法的に認められているんですね。
ただのラブストーリーではなく、こういった面から映画の公開後、賛否両論が絶えなかったそうです。
感動したと、ひとことで言ってしまうと語弊があり 誤解がうまれるかもしれない、とても難しいテーマの映画ですが。私は胸に強く刺さるものがありましたので、ぜひ観ていただきたいなと思います。
映画を観なおしながら書きましたので、泣きながらのレビューになりました...
長々と読んでいただき、ありがとうございますm(__)m
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